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5月中旬|パッションフルーツ栽培経過報告

5月中旬|パッションフルーツ栽培状況のご報告

ルビースターとサマークイーン、それぞれの着果状況

ルビースターの着果状況
ルビースターの着果状況
サマークイーンの着果状況
サマークイーンの着果状況

5月中旬現在、パッションフルーツは交配・着果が進み、果実の肥大も本格化してきています。
現在は、初期に着果した果実が大きくなり始める一方で、引き続き新しい花も咲き続けている状態です。

今年は、葉を後ろ側へ回し込まず、葉面積を確保しながら光合成効率を優先した管理を行っています。
そのため、表面からは果実が見えにくい状態ですが、内側を確認すると、しっかりと果実が付き始めています。

ルビースターについては、すでに十分に着果が揃い始めており、全体としては順調に推移しています。
まだこれから交配を待つ蕾も多く残っており、今後も継続的に着果が進んでいく見込みです。

一方で、一部セクションでは花とびが目立つ場所もあり、この点については次年度以降へ向けた課題として認識しています。
圃場全体としては順調ですが、細かな差についても確実に拾いながら管理を続けています。

サマークイーンについては、もともと非常に難しい品種であり、花とびに加えて、自家受粉では結実しにくい傾向があります。
自家受粉とは、同じ個体の花粉を同じ個体へ受粉させる状態を指しますが、サマークイーンではこれによって結実率が低下するケースが見られます。

そのため今年は、他の個体の花粉を使った人工授粉を中心に行っています。
その影響もあり、例年と比較すると、サマークイーンの結実率は明らかに向上しています。

当農園では、すべて人工授粉によって交配を行っています。
蜂を利用する農園も多くありますが、受粉精度や着果の確認を重視し、一つひとつ手作業で交配を行っています。

2026年の収穫時期について

サマークイーンについては、4月中頃までは比較的順調に結実していましたが、5月初旬は花とびが多く発生し、交配数も大きく減少しました。
特に結果枝の前半部分では、花芽が途中で黄色く変色し、そのまま開花せずに落ちてしまうケースが目立っています。

一方で、5月中頃に入ってからは、結果枝の後半部分に再び健全な花芽が付き始めており、現在は交配待ちの状態となっている個体も増えてきています。
そのため、サマークイーンについては、再び交配数が増え始めている状況です。

この影響により、サマークイーンの収穫については、6月後半から7月初旬にかけて、一時的に収穫量が少なくなる「中休み」のような状態が発生する可能性があります。
現時点では、その後に再び着果した果実が続く見込みであり、出荷時期が二段階に分かれる可能性が高いと見ています。

ルビースターについては、6月中頃から比較的安定して出荷できる見込みですが、サマークイーンについては、6月後半頃の出荷分と、その後7月中頃以降の出荷分に分かれる可能性があります。

現在ご予約をいただいているお客様につきましては、今後の着果状況や生育状態を見ながら、できる限り品質を優先した形で発送時期を調整していく予定です。
引き続き、圃場の変化を細かく確認しながら管理を続けていきます。

花とびの発生と、結果枝の後半の動き

花芽が黄色くなり落ちてしまった状態
花芽が黄色くなり、開花前に落ちてしまった状態
後半から健全な花芽が付き始めた結果枝
後半から再び健全な花芽が付き始めた結果枝

サマークイーンでは特に、「花とび」と呼ばれる現象が多く見られます。
これは、花芽が途中で黄色く変色し、開花まで至らずに落ちてしまう状態を指します。

一方で、結果枝の前半部分では花芽がほとんど飛んでしまっていても、15節付近以降から再び健全な花芽が付き始める個体も多く確認されています。
そのため、単純に早い段階で枝を止めるのではなく、樹勢や枝の状態を見ながら管理を調整しています。

今年は、全体を吊り下げ式で管理していることもあり、例年と比べて作業動線に余裕があります。
そのため、ツルを迂回させながら結果枝を長めに活かし、必要な収量を確保できるよう工夫を進めています。

パッションフルーツは、単純に結果枝の節数が多ければ収量が増える作物ではありません。
樹勢・水分・気温・光合成・着果負荷など、様々な条件のバランスによって、花芽の維持や着果率が大きく左右されます。

ここからの管理について

これからは、交配後の果実肥大と、新しく咲いてくる花の管理が同時に進んでいく時期になります。
すでに肥大している果実を安定して育てながら、後半に続く花や果実もできる限り活かしていく必要があります。

今年は水管理についても微調整を行っており、水はけの良い圃場条件に合わせながら、樹の状態を見て管理を続けています。
極端に水を与えすぎるのではなく、果実の状態や樹勢とのバランスを確認しながら調整を行っています。

基本的な考え方としては、単純な収量や肥大だけを目的とするのではなく、味や香り、糖と酸のバランスを重視した栽培を行っています。
引き続き、果実の状態を確認しながら、品質を優先した管理を続けていきます。

当農園の考え方について

当農園は、収量やサイズを追うのではなく、 味や香り、糖と酸の輪郭を重視した果実をつくるための 栽培設計を採っています。

異常気象を前提に、 肥料や水で作物を過剰に操作するのではなく、 喜界島が持つ地力を活かしながら、 年ごとのブレを抑えることを目的としています。